ネットショッピング隆盛の時代

ネットショッピングはその市場が急速に拡大しています。
その支払いも多くはクレジットカードです。
主力のアマゾンや楽天をはじめさまざまな事業者が参入しています。
B to C(企業と消費者の取引)、C to C(消費者と消費者の取引)を合わせてすでに国内市場で16兆円に達したといわれています。
ネットショッピングが普及したことにより、24時間いつでも欲しいもの必要なものが購入できるようになりました。
しかも店舗価格より安いことが多く、支払いもカードばかりでなく、銀行振込、代引き、その他キャリア課金(毎月の通
信料支払いと同時に請求)など、さまざまな決済手段も用意され、実に簡単です。
どこからでもアクセスできて、ワンクリックで商品選びをして、通信料などと一緒に支払う生活スタイル。
スケジュール確認からメールに電話、ゲームに健康管理、家計管理までと、スマホ1台あればほとんど用が足りてしまいます。
買い物一つ取っても、実に手軽になりましたが、ここで注意してほしいのは、支払いの管理です。
リアルマネーを使用しない分、ともすれば思いつくままに購入し、後悔したり、支払い代金が膨れ上がったりしやすいのです。
また、個人情報を入力する関係で、不必要なメルマガや宣伝等が思いもかけず大量に送信されていることもあります。
手軽なだけに、誤注文のミスも起こりますし、時には心当たりのない請求が来たりすることもあります。
クレジットカードによる支払いの場合は、預金口座からの引き落としですから、口座からの引き落とし額だけでは、ちょっとした額の被害では気付きにくいものです。
また、紙ベースの支払い通知を省略してWEBメールでの通知を選択した場合や、紙ベースの支払通知があってもあまりよく中身を確認しない……という状態では、盗み取られた暗証番号やパスワードなどで誰かが勝手に商品購入をしていても、その事実に何カ月も気づかないといったこともないわけではありません。
口座の残高などもまめにチェックしておきましょう。

『貯める』と『増やす』

人は、なし崩し的にお金を使わないために、心理的な家計簿を持っていると考えられます。
いつも財布に1万円を入れている人が、壊れたエアコンを買い換えるため、10万円を財布に追加して大型家電量販店に出向いたとします。
そこで気に入った5万円の時計を見つけたとしても、衝動的に時計を買うようなことはまずしませんね。
財布の中のお金に区別はありませんが、「10万円はエアコン用」と心理的に仕分けされているからです。
お金を貯めるのは、「推譲」のように将来のためという側面があります。
しかし、貯めたお金は、そのままでは増えも減りもしません。
貯めたお金は死蔵されているだけで、働いていないからです。
お金が働くというのは、持ち主の手元を離れたお金が友達を連れて戻ってくるような行為のことです。
お金の友達はお金ですから、お金に働いてもらうことが「増やす」ということにつながる訳です。
お金が働く場は、実物資産と金融資産に大別されます。
実物資産は、土地、貴金属、美術品などのように物の裏付けを持った資産です。
金融資産は、預貯金、投資信託、株式、債券、保険などの金融商品のことです。
これらのうち、実物資産の多くは市場が整備されていないことが多いため、換金性に劣ります。
これに対して、金融資産は換金性に優れ、市場での価格形成にも客観性が認められます。
日本では「貯蓄から投資へ」という流れがうたわれていますが、「投資」とは簡単にいえば「お金を働かせる行為」ということなのです。

金融リテラシーの「リテラシー」とは

リテラシーは読み書きの能力を意昧します。
日本人は欧米人に比べて金融リテラシーが低いという結果が数々の調査から示され、金融教育の必要性が唱えられています。
一方、個人に対する自己責任原則が強く求められるようになっていった社会的環境の変化の中で、人々の経済的属性(経済環境、金銭観、保有知識レベルなど)はさまざまです。
そこでは画一的な金融教育ではなく、特にリテラシーの前提となるお金との付き合い方などについて、より健全な価値観を共有する姿勢が大切です。
「リテラシー」という言葉は、“読み書きの能力”を意味する言葉です。
リテラシーには“読み”と“書き”という2つの意味が込められています。
このうち、“読み”は書かれている情報を「インプット」すること、“書き”は逆に情報を「アウトプット」する姿勢を表していると解釈できます。
つまり、“読み”と“書き”は並列的な概念ではなく、序列的・段階的な関係にあるといえます。
一般に、読めない言語を用いて文章を書くことはできませんから、書くためにはまず、読めることが前提になります。
昔、江戸時代の学校(藩校や寺子屋)では、まず素読みから始まり、幼い子どもが「子のたまわく……」などの文章を声に出して読んでいたでしょう。
しかし、字づらを追うだけでは“読み”の能力としては不十分で、書かれた内容の理解が求められます。
“書き”についても同様で、「いろはにほへと…」を学び、これらの文字が書けるだけでは“書き”の能力を身に付けたとはいえません。
自分の考えを文字で表現できて初めて、“書き”のリテラシーが備わったことになります。
また、“読み”と“書き”とでは負担リスクが異なります。
例えば、今この文章を読んでいる皆さんにリスクはありません。
一方、文章を書いた側は、場合によっては各方面からの非難・批評に晒されるリスクを負うことになりますので、そのようにいえます。

奨学金も借金である

学生時代に奨学金を受け取っていて、社会人になったいま、返済をしているという方や、現在、奨学金を受け取っている学生の方も少なくないと思います。
昨今、この奨学金の返済の焦げ付きが問題になっていますが、これはどういう事なのでしょうか?
実は、奨学金というと、給付のイメージが強いのですが、昨今、奨学金として給付が受けられるものの多くは後に返済が必要な制度のものが多く、平たく言ってしまえば、これも立派な借金なのです。
なかには大学などが給付型の奨学金制度を準備しているところもありますが、それを受給できるのはごくごく少数派で、多くの人が利用しているのは、日本学生支援機構の奨学金ではないかと思います。
同機構の奨学金は、かつて日本育英会奨学金として給付されていたもので、かつては返還免除型の奨学金(一定期間の教育機関や研究機関に勤務を条件)もありましたが、現在は第1種(無利息)、第2種(有利息)のいずれも貸与型で返還義務があります。
貸与額も月10万円の選択も可能なので、大学4年間の利用では卒業時に約500万円という多額の借金を抱えることになり、毎月の返済負担が家計を圧迫することもしばしばです。
日本学生支援機構の奨学金も、卒業後の返還の過程で延滞者が拡大し、3カ月以上の延滞によって全国銀行個人信用情報センターに登録される人が多くなったといいます。
また、経済事情などによる猶予の手続きを怠ったため、機構から返還を求める裁判を起こされる利用者が年間で6000件を超えるほどに、急増している状況が見られます。
これからの利用を考えている方は、返済の見通しも同時に検討して、返還義務のない各大学独自の奨学金などの存在を確認するなど、安易な利用をイメージすることは避けたいものです。

手数料とは

クレジットカードを申し込むと手数料という表記がありますが、これは、利息を意味します。
翌月または翌々月の一括払いの場合(マンスリークリア方式と呼ばれている場合があります)は「手数料はかかりません」などと表現されます。
その場合でも、クレジット会社は加盟店(小売店などのカード扱い店舗)から加盟店手数料として、カード利用額の数パーセントが入りますし、分割払いの場合なら利用者からも手数料が入ります。
現在の分割払いの手数料(金利)は、実質年利で7.92~18.0%とカードの種類によって幅があります。
仮に、実質年利15%として、10万円の商品を10回払いで月末に購入した場合、毎月の返済額は約1万700円、クレジット手数料としては約7000円を多く負担することになります。
実際に例を挙げて計算してみましょう。
クレジットカードの申込書などに記載のある会員規約をみると支払回数に応じた手数料率が上のように示されています。
たとえば、B子さんは、4月に入社して早速、頑張っている自分へのご褒美として、5万円のバッグを12カ月払いで購入し、カードで支払いました。
翌5月のGWに出かけたアウトレットでは、夏物のワンピースと靴を合計7万円で購入し、あとのことを考え10回払いとしました。
7月には友人と沖縄に出かけようと計画し、6月に旅行社で8万円のリゾートプランに決めてカードで決済しました。
そのときはボーナスも出るからと一括払いとしました。
この場合、毎月の返済額はどれくらいになるかを考えてみましょう。

4月 バッグ
支払手数料(利息)=50000円(バッグ代)×8.31%=4155円・・・①
毎月の返済分(手数料)=4155÷12=346.25円

5月 ワンピースと靴
支払手数料(利息)=70000円×7.00%=4900円
… ②
毎月の返済分(手数料)=4900÷10=490円

6月 旅行代金
支払い手数料=一括払いなのでゼロ・・・③

5月(4月分の支払)
50000÷12+346円=4167+346=4513円

6月(5月分の支払)
4513円+70000÷10+490円=12003円

7月(6月分の支払)
4513円+7490+80000円=92003円

翌年4月(翌年3月分の支払)4163+349=4512円(完済)

となりますね。
自分が分割払いをしている方は、ぜひ確認してみてください(実際の取引では手数料負担を初回払いの際に多く設定することが多くなっています)。

投資のリテラシー向上のために、「投資は怖い」を取り除くことが必要

財政が厳しくなった日本では、個人の自助努力による資産形成の重要性が増している。それは公的年金の給付だけでは十分な老後が見通せないからだ。資産形成について、どうしたいのか考えると、投資は怖いといった傾向にある。例えば、日銀から公表された「家計の金融行動に関する世論調査」によると、老後に不安を感じている人は多い。金融資産保有額は高いが、中央値でみるとぐっと減る。金融資産がない人も少なからずいる。だから、将来に不安を感じる人が多くのも納得できる。一方で、将来のために投資を考えている人はわずかしかいない。収益性は高いが元本割れの可能性も高い金融商品保有については、保有しようとは全く思わないと答えた人が多い。

将来に不安を感じつつも、できれば投資を行わないで預貯金で蓄えたいと考えている人が多い。

世間で、資産形成の必要性と投資による運用の効果がいわれているにもかかわらず、波及しないのはどうしてなのか。その根本には、「投資は怖い、投資は損をするリスクがある」という意識がある。日本証券業協会による「どうして投資をしないのか」についてのアンケートによると、投資は「難しい」「なんとなく怖い」「ギャンブルのようだ」という回答がみられる。投資信託協会の調査においても、身近な金融商品であるはずの投資信託でさえ過半数の人が「よく分からない」「知識がない」と答えている。リスクがあるといえばあるが、それよりも、なんだかよく分からなくて怖いということなのではないか。

分からないことほど怖いものはない。「分からない=損をするのでは=怖い・避けたいこと」という連想につながる。投資のリテラシ一向上のために必要なことは「投資は怖い」を取り除くことである。