金融リテラシー向上に向けて

日本人の金融リテラシーを高めるためには、何をすればよいのだろうか。日本においては、金融経済教育研究会報告書に基づく『金融リテラシー・マップ』が策定されている。これは、小学校低学年から高齢者までの9つの年齢層について「身に付けるべき金融リテラシ-」を定めたもので、その体系の精緻さは世界にも類を見ない。さらに、高等学校までの学校段階については、金融広報中央委員会が作成した 『金融教育プログラム』に、「金融リテラシー・マップ」のもとになった「学校における金融教育の年齢層別目標」が唱えられており、学習指導要領や多くの実践事例との紐付けもなされている。

しかし、このような整備された体系があるからといって、現実の金融リテラシーが向上するとは限らない。学校の先生方の熱意溢れるご指導や金融教育を推進する団体の地道な働きかけなどが必要である。金融広報中央委員会および都道府県金融広報委員会、金融庁をはじめとする関係者による最新の取り組みを展望しながら、今後進むべき道について考える必要がある。

まず、成人の金融リテラシ一を向上させることが肝要である。現代日本は、年代が多層に亘り多忙であり、とりわけ勤労世代の金融リテラシ一の向上は難しい。金融広報中央委員会では、生活に身近なお金の問題への対応支援のため「金融広報アドバイザー」を委嘱しており、都道府県金融広報委員会が、市民向けセミナーや講演会などを開催するも、勤労世代の参加は多くはない。こうした状況から、ライフプランセミナーや確定拠出年金加入者向けの研修など、企業内研修が重要であると考えられる。また、書籍、テレビ、インターネットなどを駆使した個人学習の方法が必要である。