日本人の金融リテラシーは低い?

日本人は欧米人に比べて、金融リテラシーが低いといわれている。その根拠についてはふたつある、ひとつめは家計金融資産に占める現状の預貯金の比率が高く、リスク資産の比率が低い、ということ。ふたつめはオレオレ詐欺などの被害が後を絶たないということ、などが指摘されている。

ひとつめの根拠については、現象から推測したものに過ぎず、金融リテラシーの不足を論理的に証明してはいない。というのは本当は殴米人並みのリテラシーが日本人にもあり、それで現実の預貯金に寄りかかった資産構成を、選んでいるのかもしれないではないかということだ。実際にはそんなことはないだろうが、こうした推論もひとつめの情報だけからなら成り立つわけだ。

ふたつめの根拠であるオレオレ詐欺は、子や孫を騙って、いろいろと理由をつけては、お年寄りからお金を巻きあげる犯罪である。これらの手口にだまされるのは、困っている子どもや孫を、救ってあげたいという「愛情」に根ざして起こることであるから、リテラシーの有無とは無関係である。ただ、そうした愛情の背景には、身内をかばうためなら法律やルールを逸脱しでもいいのだという「欲」の存在があるのではないだろうか。

「欲」に基づくものといえば、投資詐欺に引っかかるのも同じ心理である。交通事故とか、お金の使い込みは、当事者の責任による事案であるからだ。だまされないためには、法やルールに委ねる覚悟を持っている必要がある。しかし、これも金融リテラシーとは別次元の問題であり、駅のホームで背中を押されないためには、最前列に立たないというリスクを管理するという意識にも通じるのではないだろうか。