堅実で保守的な日本人

金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査」では、日本人はほとんどの金融知識について、欧米人に劣るという結果になっている。この点は、金融リテラシーを高めるためには、日本人にある手段が必要であると主張したことに説得力を感じる。

ただ一方で、この調査によると、「借りすぎていると感じている人の割合」がアメリカのに対して日本では約半数にとどまっている。また、「緊急時の金銭的備えがある人の割合」ではアメリカのに対して日本のほうが少し上回っている。特に高年収と高年齢層ではアメリカを上回っている。さらに、「何かを買う前に、それを買う余裕があるかどうか、注意深く考える人の割合」や、「期日に遅れずに支払いをする人の割合」は高い数値となっている。これらから、日本人はお金に関して律儀で堅実、そして保守性が強い、という特徴をみることができる。

半数以上の人に「緊急時の金銭的備えがある」ことと、「損失回避傾向が強い人の割合」が多数あるという結果とを合わせると、意識的か無意識的かはおいておいて、あえて値下がりしそうなリスクのある金融商品に、手を出す必要性を感じさせない結果になっているとも考えられる。

こういうことは、日本人の健全性を物語っていることになる。ただ、緊急時に対して金銭的備えがあるのはいい結果である。備えのない人の割合が半数近くいることは問題といえば問題だが、老後の備えなどはより長期的に考えて、必ずしも十分ではないようである。